小さい・軽いは立派なスペック|小さなカメラは写真の楽しさを教えてくれる

カメラやレンズがほしいと思った時、皆さんは何を決め手に選んでいますか?
カメラであればセンサーサイズや画素数、連写性能…レンズであれば開放F値、最短撮影距離…そんな比較的わかりやすいカタログスペックについつい目が行ってしまいます。
私も同じで、せっかく買うなら「より高性能なものを!」という目線でスペック表を見てしまいます。ただ、そんなスペック表の中で、写真体験や楽しさの質を大きく左右する項目があります。
それは「サイズ」と「重量」。
一見地味に思えるかもしれませんが、個人的には「小さいこと」「軽いこと」は趣味で写真を楽しむなら1、2を争うくらい重要な項目であると考えています。
今回は、その「小さいこと」「軽いこと」がもたらすメリットについてまとめたいと思います。
- カメラを買ったのにあまり使っていない
- 趣味で楽しむカメラの購入を検討している
- カメラのスペックで何を重視すべきかわからない
そんな方に対して、一つの考え方として参考になれば幸いです。
カメラが軽い・小さいことの3つのメリット

① 撮影機会の増加:持ち出すハードルの低さ
カメラは使ってなんぼ。持ち出さなければ何も始まりません。
カメラを持っている人なら一度は「今日は荷物が多いからカメラはやめておこう…」「近場に行くだけだから、まあいいか…」そう思ったこともあると思います。そう思ったときに限って、撮りたいと思う景色に出会うものです。
軽くて小さい、これはカメラを持ち出すハードルを大きく下げてくれます。
とりあえずバッグにカメラを入れておく、これができるのとできないのとではカメラで写真を撮る機会の数が段違いに変わります。
撮影機会が増えると写真の上達にもつながります。
何気ない日常をカメラで撮れること。これは、写真の「量」だけでなく「質」にもつながる、非常に大きなメリットになります。
② 行動範囲の拡大:持ち運びの負担の小ささ
カメラが重いと当然ながら疲れます。
たくさん写真を撮るぞ!と意気込んでカメラにレンズを持って行ったものの、「重たくて移動がしんどい…」「首にカメラをかけていると疲れるからバッグにしまっておこう…」
私は登山にカメラを持って行ったときに実際に経験しました。
疲れてくると、とりあえず写真はいいから休憩したいという気持ちになるもの。そんな状態では視野も狭くなりいい写真も撮れません。
フットワークの軽さと広い視野は、いい景色・いい被写体を見つける土台であり、軽いカメラはこの土台への負担を軽減してくれます。
③ 撮影への集中:存在感の小ささ
意外と忘れがちなのがカメラの存在感について。
自分で言うのもなんですが、カメラを持って撮影している人はまわりには近づかないようにしています。撮影の邪魔になってしまうかも、写り込んでしまうかも…そう考えてしまうためです。
私だけかもしれませんが、これは撮影している側からも感じることで、「早く撮影を終わらせないとな…」「邪魔になってないかな…」など考えながら撮影するのは結構気が散るものです。
私の主観ではありますが、カメラが大きいほどこの意識は強くなる印象があります。
大きなカメラは威圧感があり、人を撮る場合は自然な表情が得られにくいなど言われたりしますが、根本はこういった意識によるところじゃないかと、私は思っています。
カメラの存在感は小さいほうが周囲の目が気になりにくく、日常のスナップなど気軽に写真を撮る場合は使いやすいです。
補足:小型軽量であればいいという単純な話でもない

ここまで「軽いこと」「小さいこと」のメリットを並べてきましたが、小さければ小さいほど、軽ければ軽いほどいいというほど単純な話でもありません。
いくら小型軽量でも、自分がいいと思える写真が撮れなければ、写真を撮りたいという気分にもならないものです。
私の実体験
今は手放してしまいましたが、私は以前RICOH GR3というカメラを持っていました。

「最強のスナップシューター」と呼ばれる小型軽量の大人気のコンデジ。
小さくて軽く、私の使い方的にはベストかと思い購入しましたが、当時は単焦点28mmという画角が苦手で手放してしまいました。
最近はこのくらいの画角も撮る様になったこと、現在は価格も高騰していることから、手放さずに持っておけばよかったな、と思うこともありますが…
軽さ・小ささだけにこだわらず、自分の撮りたい写真や撮ってて楽しいと思える画角など、用途に合わせて検討することも重要です。
小さなカメラだからこそ撮れた写真
私は普段SIGMA fpというカメラを持ち歩いています。コンデジに比べれば大きく重いですが、ミラーレス一眼では小さい方、フルサイズセンサーなら現状最小最軽量の機種です。

他にいいカメラはたくさんありますが、小さく軽いこのカメラだからこその撮れた写真も多いです。
偶然出会った景色
写真を取りに行こうと意気込まなくても、意外と身近にいい被写体は隠れているもの。
以下、身軽に動けたから撮れた、お気に入りの写真です。








「小ささ」「軽さ」は大事なスペック
今回は私の経験をもとに、小さなカメラのメリットについてまとめました。ただ、大きく重たいカメラを否定しているわけではありません。
画質や機能面にこだわらなければ撮れない写真があるのも事実です。
逆に小さく軽いカメラでなければ撮れない写真があるのも事実です。
どういったシチュエーションで写真を撮りたいかをイメージして、もっと気軽に、身軽にカメラを楽しみたいと考えるなら、小さなカメラあなたのカメラライフを楽しいものにしてくれると思います。
ぜひ一度、カメラの「小ささ」「軽さ」にこだわってカメラを選んでみてはいかがでしょうか?

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