暗い場所で写真がうまく撮れない。そんなときに意識したいこと

夕暮れの室内、少し薄暗いカフェ、夜の街など、暗い場所での写真を撮ろうとすると、なんだかうまく撮れない。そんな感覚はないでしょうか。
明るい場所ならある程度カメラに任せてもちゃんと撮れるのに、暗くなった途端にうまくいかない。オートのまま撮ったら真っ暗だった。設定を変えようとしたらシャッターチャンスを逃した、撮れたと思ったらブレブレだった。そんな経験、一度はあるのではないかと思います。
私自身、今でも暗い場所では少し時間が欲しいと感じます。ただ、まずISOを上げるという順番を意識するようになってから、迷う時間がずいぶん減った気がしています。
今回はそんな暗い場所での撮影と、ISO感度の使い方についての話。
暗くなると、なぜうまく撮れないのか

暗い場所でうまく撮れない理由は、明るさの調整がシビアで、自分で判断しなければならないからだと考えています。
カメラで明るさを変えるには、絞り・シャッタースピード・ISO感度の3つの方法があります。露出オートで撮っているときはカメラがこの3つを自動で調整してくれますが、この3つは明るさだけ変えるわけではありません。それぞれが写真の見え方にも影響します。
暗い場所ではカメラが光を集めようとして、この3つを過剰に動かすことがあります。その結果、意図せずブレていたり、背景がボケすぎていたり、ということが起こりやすくなります。
だからこそ、ある程度自分で調整したい。でもどれをどう動かすか迷っているうちに、シャッターチャンスが過ぎてしまう。
ISO感度を先に動かす、たったひとつの理由
では、その3つのどれを動かすか。私はまず、ISO感度から触るようにしています。
理由はシンプルで、あとから修正しやすいからです。
シャッタースピードを遅くすると、ブレが出る。絞りを開けると、ボケが大きくなる。どちらも撮ったあとから変えることは難しいです。
ISOを上げるとノイズが出ます。ノイズは確かに気になるものですが、Lightroomなどの現像ソフトやスマホのフィルタなどの性能は上がっていて、あとから軽減できる余地があります。修正ありきで撮ることを良しと思わない方もいると思います。ただ私は、「取り返しがつかないもの」よりも「あとで対処できるもの」を先に変える、という順番で考えています。
あくまで個人的な考え方なので、合わない方はご自身の優先順位で判断していただければと思います。
ノイズは、悪いものじゃない

ノイズがあると失敗写真かというと、私はそうは思っていません。
暗い場所で撮った写真のざらっとした質感によって、その場の薄暗い空気感が伝わるということもあります。綺麗すぎないことによる雰囲気が、ノイズによって生まれることもある。
そもそも、スマホやタブレット、ノートPCで見る程度であれば、そこまで気にならないというのもあります。
ノイズも含めてその写真らしさであり、それが写真の面白いところでもあると思っています。
ISO感度を上げる目安
では実際にどのくらいまで上げていいのか。
これはカメラの機種や周囲の明るさ、何をどう撮りたいかによっても変わるので、一概には言えません。私自身はISO8000くらいまでは使うことがありますが、同じ数値でもカメラやレンズによって写り方は変わります。
まずは自分のカメラで試してみることが一番の近道。
暗い場所でISO感度を少しずつ上げながら撮り比べてみる。どのあたりからノイズが気になるか、感覚をつかんでおくと、いざというとき迷う時間が減ります。
オート設定で撮る場合は、ISO感度の上限を設定しておくといいと思います。カメラがISOを自動で上げすぎないよう、上限の数値を決めておくと、意図しないほどノイズが出た、という状況は防げます。設定はカメラの機種によって異なりますが、「ISO感度設定」といった項目から設定できることが多いです。
きれいに撮れた写真だけが、正解じゃない

以前、マニュアル設定のまま妻にカメラを渡したことがあります。
妻が「うまく撮れない」と言いながら撮った写真は全体的に暗く、他の人が見れば失敗していると感じる写真です。ただ、暗い写真はその時あったことを思い出させる写真であり、個人的にはすごくいい写真だと思いました。記録ではなく記憶に残る写真です。
暗い写真、ブレた写真でも、「こんなことあったね」と思い出せるなら、それは十分いい写真。きれいに撮れた写真だけが正解ではない。うまく撮ることよりも、写真を楽しむことが大事だと私は思っています。
迷ったらまずISOを上げてみる
暗い場所で迷ったら、まずISOを上げてみる。それだけで、撮れる写真の幅が広がります。
ブレもボケも気にしなくていい。ノイズが出たとしても、あとで対処できるし、そのノイズが写真の雰囲気になることもある。
完璧な設定を探しながら迷っているより、まず撮ってみる。その一枚が、思いがけずいい写真になるかもしれません。



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