写真がごちゃつく原因は足しすぎだった:「シンプルな画づくりの基本」から学ぶ写真の考え方

自分が撮った写真を見返してみて、撮りたいものを撮っているはずなのに「ぼんやりした写真だな…」と思うことがよくあります。
ピントや明るさなど問題はないけど、印象に残らない。そういう写真。
何も考えずになんとなく撮っているからと言われるとそうなんですが、考えるコツみたいなのはないかな、と手に取った本が今回紹介する「シンプルな画づくりの基本 写真で学ぶ美しさをとらえる50のテクニック」です。
読んでみてとても参考になったので、この記事を読んで気になった方はぜひ手に取ってみて欲しいと思います。
本の概要
『シンプルな画づくりの基本 写真で学ぶ美しさをとらえる50のテクニック』(アントニー・ザカライアス 著、㈱ビー・エヌ・エヌ)は、カメラの設定や基礎知識が書いてある本ではなく、写真を撮る際の考え方を教えてくれる本です。
構図
光、色、コントラスト
クリエイティブな撮影術
ストーリーを語る
という4つの視点から、50の考え方が紹介されています。大ボリュームです。
※50の項目は目次は以下リンク先を参照ください

各項目ごとに写真と解説がセットになっているので、一気に読み進めるというよりかは、
・1項目ごとに意識しつつ写真を撮る
・撮ったあとに見比べる
そんな読み進め方が合う本だと感じました。
写真を”うまく撮る”より、どう考えるかを教えてくれる本
この本の本質はミニマリズムであり、質より量を重視する考え方。
不必要な要素を削り、残った要素を整理、優先順位を考えることで、何が本当に重要なのかを理解することとこの本には書かれています。
要するに、よりシンプルに、余計なノイズを排除することで、伝えたいことが届く写真になるよ、ということです。
これは写真だけでなく、グラフィックデザインや広告などにも共通する考え方で非常に参考になります。
そんな考えながら撮らないから関係ない、作品を作りたいわけではないという人も、一度読んでみると撮る写真がガラッと変わるかもしれません。
それくらいインパクトがある内容です。
今回はそんな50の項目の中から、私が特に感心した項目を5つ、私が撮った写真とともに紹介しようと思います。
私の印象に残った5つの考え方
シンプルさ:不必要なものを取り除く
この本の本質の部分であり、一番最初の項目です。見てほしい部分に注目してもらうためには気を散らす要素はない方がいい。
・伝えたい雰囲気や感情は何を含め、何を省くべきか?
・そもそも写真を撮ろうと思ったときに何に目を引かれたのか?
これらを考えながら写真を撮ると写真で伝えられる幅がぐっと広がることが、実際に写真を撮りながら感じたことです。
以下の2枚の写真は動物モチーフのイルミネーションを撮った写真ですが、どう感じるでしょうか?


少し立ち位置を変えて、望遠側にズームに、背景をぼかし少し暗くしていますが、印象がガラッと変わっていることがわかると思います。
ありふれたものを主役にする:特別な被写体でなくても良い
家の近くでは特別いい写真は撮れないので、遠出しなければならない。
そんなことを考えなくたって、身近にいいな!と思うものはたくさんあります。
自分の身の回りをゆっくり見回してみて、よく観察するだけでも絵になるシーンは多いなと考えさせられた項目です。
以下の写真は近所の標識と家で握ったおにぎりの写真です。特別感はないですが個人的に素朴で好きな写真です。



コントラスト:明暗で「見せたいもの」を浮かび上がらせる
コントラストの強弱の付け方を変えると写真の印象を大きく変えることができます。
コントラストが弱いと、淡く柔らかい印象、コントラストが強いとドラマチックで力強い印象に。
以下の写真は植物の葉の写真ですが、撮影したあとにコントラストを変えてみました。どういった印象に見えるでしょうか?


この写真は以下の要素に惹かれて撮った写真です。
①独特な葉の形状
②はっきりと見える葉脈
③部分的に当たる陽の光
この感情を伝えるにはコントラストは強い方がしっかりと意図が伝わるとraw現像時に感じました。
さらに、上で挙げたことを伝えるにはモノクロのほうが更に良く伝わると思って、修正した写真が以下です。

この中では個人的にはモノクロが一番好みです。
視点を変える:被写体を変えずに写真の印象を変える
身近にある被写体でも、自分の立ち位置やカメラの向きなど変えることで写真の印象は大きく変わります。
物撮りでいろんな方向から写真を撮ってみて実感しました。
遠くから・近くから
高いところから・低いところから
焦点距離を変える
どこまでを写すか など
変えようと思えば変えられるポイントはたくさんあります。
以下の写真は、頂き物のさくらんぼを撮った写真です。同じ被写体でも撮り方ひとつで印象はガラッと変えられます。


孤独と隔離:すべて写さず、想像できる写真に
見る人の注意を逸らす要素を排除し、その中にポツンと被写体が置かれていると、シーンの空虚さが強調され、嫌でも被写体に目がいきます。
また、被写体が孤立していることで、儚さやもろさといった印象を加えることができる。いわゆるエモさというもの。
以下は夕焼けの浜辺の人々を写した写真です。どういった印象に見えるでしょうか?



被写体の人物はすべて逆光で表情など見えませんが、状況や時間の流れなど伝わる情報があると思っています。
写す情報を制限することで、見る人の想像が入り込む余地が生まれるという面白い写真にすることができました。
シンプルにすることで、伝えたいものが残る
この本を読むと、改めてよく考えて写真を撮ることの重要さがわかります。
・ありふれたものに目を向け
・できるだけ要素を省き
・被写体を強調させるための撮り方を考える
写真を撮る前にそれだけでも意識できると、写真が整理され、印象に残るような写真に近づけると感じました。
本の中から気になる項目を読んで、その項目の考え方を意識して写真を撮ってみる。そうやって内容を理解していくと写真が変わっていく。そういう一冊だと思います。
今回紹介した5つ以外にも45項目ありますので、自分が撮る写真はぼんやりした写真ばかりだと感じる方はぜひ、この一冊を手に取ってみてください!
最後にその他、この本を読みつつ撮った他の写真を載せておきます。







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