単焦点は不便だけど楽しい!単焦点レンズのメリットと使い分けの話

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「ズームレンズを持っていれば、ズームができない単焦点レンズはいらない!」そう思っているあなた!

確かに単焦点レンズはズームができず、使い勝手が悪いと思う場面はあります。しかし、使い勝手の悪さというデメリット以上のメリットや魅力が単焦点レンズにはあります

ズームレンズよりも手の届きやすい価格で持ち出しやすい。そんな特徴がある単焦点レンズは、普段使いしやすく写真を取る機会も増えやすい。写真を撮る機会が増えることで、写真の上達にもつながるかもしれません

今回は、そんな単焦点レンズ使う上で知っておきたいメリット・デメリット、ズームレンズとの使い分けについて解説します。

これから単焦点レンズにチャレンジしようと考えている方だけでなく、単焦点レンズは持っているけど使いこなしが難しいと悩んでいる方にの参考になれば幸いです。

目次

単焦点レンズとは特定の焦点に特化したレンズ

単焦点レンズとは、その名の通り焦点距離が固定されたレンズです。ズームレンズのようにレンズ内で画角を変えることはできません。

ズームができないと言われると不便だと思われるかもしれませんが、ズームができない分、特定の焦点距離ではズームレンズ以上に美しい写真が撮れます。

単焦点レンズは各競技のプロ選手

スポーツ選手に例えるとわかりやすいです
ズームレンズ:複数競技の選手
 十種競技、トライアスロン…
単焦点レンズ:単一競技の選手
 100m走、走り幅跳び、砲丸投げ、マラソン、水泳、ロードバイク…

単焦点レンズはいわば、特定の焦点距離に特化したレンズです。

事項からは、そんな特定の焦点距離のプロ選手である、単焦点レンズの特徴について見ていきましょう。

単焦点レンズを使う際のメリット

単焦点レンズが持つメリットは大きく3つあります

  • ズームレンズに比べて小型・軽量なレンズが多い
  • 明るく、よくボケるレンズが多い
  • 価格に対して高性能なレンズが多い

小型・軽量なレンズが多い

単焦点レンズはズームレンズに比べて小さくて軽いものが多いです。

これはズームする際のレンズが動くためのスペースが不要であり、レンズ枚数を少なく、構成もシンプルにしやすいことが理由です。

「軽さは正義」と言う方もいるくらい、カメラを楽しむうえで「重量」は気にすべきポイント。カメラを持ち出すハードルが下がり、持ち運びもラクなので、日頃のちょっとしたお出かけなど日々の記録を残すのに単焦点レンズはぴったりです。

この携帯性の高さが、単焦点レンズの大きなメリットの1つになります。

レンズのサイズ比較
左・中央:単焦点レンズ  右:ズームレンズ

右のズームレンズはかなりコンパクトな部類のレンズ
それでも単焦点のほうが小さい

明るく・よくボケるレンズが多い

単焦点レンズは開放F値が小さいレンズが多く、明るくてよくボケます。

これはF値が焦点距離に依存するため、焦点距離が変わるズームレンズでは、ズーム全域で明るいレンズとする設計が難しいことにあります。

F値の計算式
F値 = 焦点距離 ÷ レンズ口径
※焦点距離が短いほど、レンズの径が大きいほど明るいレンズにしやすいということ

参考URL:レンズの焦点距離とF値:Panasonic デジタルカメラ講座 第十一回

同じサイズでも単焦点レンズのほうがF値が小さく明るい、同じF値でも単焦点レンズのほうがサイズが小さいレンズが多いのはこのためです。

水族館や夜間などの暗いシーンや、ポートレートなど被写体が明確である場合は、明るくよくボケる単焦点レンズが本領発揮できる場面と言えるでしょう。

暗い環境下での単焦点レンズの作例(夕日)
暗い環境でもしっかり写る

手を出しやすい価格からレンズが手に入る

単焦点レンズはズームレンズに比べて、安価であることが多いです。

これは前項で述べたように、単焦点レンズのほうがレンズの構成がシンプルであることが理由です。

初めての単焦点レンズにおすすめな、50mm F1.8のレンズは各メーカーから比較的手に届きやすい価格帯で販売されています。

例:Lマウントレンズ

例:Eマウントレンズ

安かろう悪かろうではないか?と思われるかもしれませんが、1つの焦点距離に適したレンズ設計になっているため、むしろズームレンズより歪みが少ない、シャープな写りのレンズであることも多いです。

単焦点レンズは性能に対してコストパフォーマンスの良いレンズになります。

単焦点レンズを使う際のデメリット

単焦点レンズを使うことによるデメリット

  • どうしても対応できない場面が出てくる
  • レンズ交換の手間が大きい

ズームに頼ることができない

望遠鏡

単焦点レンズはズームを使って、被写体の写し方や構図を簡単に変えることができません。被写体との距離を自分が動くことで調整しなければならないため、ズームレンズに比べて撮れる写真の自由度は下がります。

ズームができない分、固定された画角で被写体をどう写すかをしっかり考えて、自分の足を動かす必要があります。

考えて写真を撮ることで、自分好みの写真の撮り方がわかってきます。

ズームができないということは、気軽に写真を撮りたいという方にはデメリットになりますが、撮影の腕を上げたいと考えている方にはメリットにもなり得ます

どうしても対応できない場面が出てくる

ズームを用いない単調な写真
ズームしたいのにできない。は結構ストレス

単焦点レンズ1本では、どうしても対応できない場面というものは出てきます。

被写体から距離が撮れない狭い室内や、近づきたくても近づくことができない運動会といった、物理的に距離が調整できないような場面は固定された焦点では厳しいです。

撮れないものは諦めて、撮れるものに集中するというのは1つの手ですが、撮りたいものが撮れないというのはストレスになるものです。

物理的な制約がある場面、大事な場面を逃したくないような場面では、ズームレンズを使うのがいいでしょう。

レンズ交換の手間が大きい

複数のレンズ

単焦点レンズのみを使う場合、複数のレンズを持ち歩き、撮影したい場面ごとにレンズ交換する必要があります。

レンズ交換には時間がかかり、レンズやイメージセンサーの汚れやホコリが付着するリスクもあります。

複数のレンズを買い揃えるためにコストがかかり、複数のレンズを持ち運ぶ必要も出てくるので、単焦点レンズのメリットである気軽さが失われていきます。

単焦点レンズにハマると単焦点レンズばかり使いたくなってしまいますが、あまりこだわりすぎず撮影シーンに合わせて柔軟に使い分けるのがいいでしょう。

単焦点・ズームレンズの使い分け

単焦点レンズ・ズームレンズにはそれぞれメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴を踏まえた上で、私が2種類のレンズを使い分ける際の考え方を紹介します。

あくまで参考なので、これが正解というわけではありませんが、参考になれば幸いです。

単焦点レンズを使いたい場面

①ポートレートや物撮りなど撮る対象がはっきりしている場合

単焦点レンズ作例-花

これが主役です!とはっきりわかるポートレートや物撮りは、単焦点レンズのメリットが活きる場面です。

被写体となる人物や物にピントを合わせて、それ以外を大きくぼかす。そんな主役を引き立たせるような写真は、F値が小さく、きれいなボケを作りやすい単焦点レンズの得意分野。

比較的自由に動ける場合は、被写体との距離感も調整しやすく、構図を変える際に自分が動かなければならないというデメリットも感じにくく、単焦点レンズを使うのが楽しい場面の1つです。

単焦点レンズ作例-さくらんぼ

②夜間や水族館などの暗い場面

単焦点レンズ作例-くらげ

夜間などの光が少なく暗い環境においても、F値が小さく明るいという単焦点レンズのメリットが活きる場面です。

F値が低くてもISO感度を上げることで対応はできますが、撮ったあと写真を見返したとき、ノイズが気になる…ということはよくあります。

最近は画像処理技術も向上し、Lightroomなどのソフトでノイズ除去はできますが、調整や処理には時間がかかるし、うまく除去しないと過剰になめらかなのっぺりとした不自然な写真になりかねません。

暗い場所でも光を確保しやすい単焦点レンズは、F値で明るさをカバーできる場面が増えます。こういった場面で、F値の調整で試行錯誤すると、写真の明るさと周囲の光について理解が深まり、写真の上達にもつながます

単焦点レンズ作例-ランタン

街角スナップなど気軽に動き回って撮影したい場面

単焦点レンズ作例-街角スナップ

スナップ写真など、気になった物や景色を撮影したい場面は、単焦点レンズの軽さが活きます。

ふと見つけた瞬間を撮影したいというとっさの場面も、単焦点レンズのほうがズームを気にしなくていいぶん早く撮れるため、タイミングを逃しにくいというメリットもあります。

ズームができないことが逆に強みになる軽さと瞬発力が重要な場面は、単焦点レンズを使いたいシーンの1つです。

単焦点レンズ作例-夜の街

ズームレンズを使いたい場面

① じっくり時間をかけて写真が撮れないとき

ズームレンズ作例-街中

時間が決まっているツアー旅行など、写真撮影にあまり時間を掛けられない場合はズームレンズを使うほうがいいでしょう。

撮った写真を見て「ちょっと違うな…」と思ってしまったとき、単焦点レンズを使っていると、満足する写真を撮るまでに時間がかかります。おまけに撮影も楽しいので、周りが見えなくなる。あるあるです。

カメラが趣味でない人と一緒に行く旅行やお出かけなど、撮影に夢中になって同行者を待たせる、退屈させる、イライラさせるのはNG!本来の旅行・観光を楽しむのが優先です!

写真にこだわってしまいがちな方は、手短に画角を調整できるズームレンズを使うほうがいいでしょう。

② 運動会や動物撮影など被写体との距離調整が難しい場面

ズームレンズ作例-航空機

運動会などのイベントや動物や乗り物など、被写体との距離が自由に調整できない場面では、ズームで画角を調整できるズームレンズのメリットが活きる場面です。

複数の単焦点レンズでも対応できなくもないですが、レンズ交換をしているうちに肝心なシーンを見逃した…なんてことにもなりやすいです。

そもそも被写体に近づけない、離れられない場合には撮りたい物に合わせたズームレンズを使い、ズームで画角を微調整することで失敗がすくなくなるでしょう。

ズームレンズ作例-カバ
ズームレンズ作例-キリン

③ 仕事での写真撮影など失敗できない場面

仕事で使用する場合など、失敗できない場面では、状況に応じて臨機応変に対応できるズームレンズに軍配が上がります。

私自身、カメラマンとして仕事をしたことはありませんが、結婚式などのイベントで見るカメラマンさんは大体複数のズームレンズを持っています。

趣味で使う分には「残念」ですむかもしれませんが、仕事で使う分にはズームレンズは欠かせないかと思います。

単焦点レンズの特徴を理解してうまく使いこなそう!

今回は単焦点レンズのメリット・デメリット、ズームレンズとの使い分けについてまとめました。

カメラ本体とセットで売っているキットレンズはほとんどがズームレンズであるため、大多数の方はズームレンズを初めて手に取ると思います。

キットレンズは使い勝手のよいズームレンズであるため、あえて単焦点レンズを買わなくてもカメラを楽しむことはできます。ただ、私自身、単焦点レンズを買ったことでよりカメラの楽しさを知り、趣味としてカメラを本格的に楽しむようになりました。

まだ単焦点レンズを使ったことがないという方、ぜひ一度手に取ってみて、その楽しさを実感いただけると幸いです。

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この記事を書いた人

カメラ・写真好きのサラリーマン
カメラ歴は10年ほどですが上手くはないです。

気になったこと、調べたことを備忘録の意味も込めてブログにまとめつつ、カメラ・写真の楽しさを伝えることができればと思います。

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